「二胡を始めたいけれど、初心者用の二胡はいくらくらいが適切なの?」
「最初だから、できるだけ安い二胡でも大丈夫?」
「高い二胡を買っても、続けられるか分からない・・・」
初めて二胡を購入する方から、このようなご相談をよくいただきます。
二胡は数万円の入門用から、数十万円以上の高級二胡まで、価格の幅がとても広い楽器です。そのため、初心者の方にとっては、どの価格帯を選べばよいのか分かりにくいと思います。
私は50年以上二胡を演奏し、日本で30年以上にわたり、初心者の方を中心に指導してきました。また、二胡専門店「名師堂」で、数多くの二胡の選定・調整・研究に携わってきました。
その経験から先に結論をお伝えすると、初心者用二胡は、必要な付属品まで含めて5万円〜10万円前後を一つの目安にするとよいでしょう。
現在、名師堂では初心者向けとして、紅檀二胡入門セット58,000円と、紅木二胡入門セット82,550円をご用意しています。
ただし、二胡は価格だけで選べる楽器ではありません。
大切なのは、初心者でも音を出しやすく、正しく調整され、安心して練習を続けられる二胡であることです。
初心者用二胡の適切な価格は5万円〜10万円前後
初心者用二胡として、私がおすすめする目安は、付属品を含めて5万円〜10万円前後です。
この価格帯の初心者セットには、一般的に次のようなものが含まれます。
- 二胡本体
- 二胡弓
- 二胡ケース
- 松脂
- 予備弦
- 駒
- 雑音止め
- チューナー
- アジャスター
- 初心者向け教材
ただし、セット内容は販売店によって異なります。
一見すると安く見えても、後から弓、ケース、チューナー、予備弦などを買い足す必要があり、結果的に費用が高くなる場合もあります。
本体価格だけを見るのではなく、二胡を始めるために必要なものが、どこまで含まれているかを確認することが大切です。

初心者だから安い二胡でよい、とは限りません。
「まだ初心者だから、一番安い二胡で十分ではないでしょうか?」
そう考える方も多いと思います。
しかし、私の経験から申し上げると、初心者だからこそ、ある程度品質の安定した二胡を持つことが大切です。
弾きやすく、音程や音色が安定した二胡で練習すると、最初から良い音を感じることができます。
「音が出た」
「少しきれいに弾けた」
「もっと練習したい」
そのような小さな喜びが、二胡を長く続ける力になります。
反対に、2万円台や3万円台の二胡で、
- 音が出にくい
- 音色が硬い
- 雑音が多い
- チューニングが安定しない
- 弓が使いにくい
といった問題が続くと、練習そのものが苦痛になり、早い段階でやめてしまうこともあります。
経験者やベテランの方であれば、楽器に少し癖があっても、演奏技術である程度対応できます。
一方、初心者の方は、まだ正しい音の出し方や音程が分かりません。
そのため、音が出にくい二胡を使っていると、
・ 自分の運弓が悪いのか
・楽器の調整が悪いのか
・弦や駒に問題があるのか
・二胡そのものの品質に問題があるのか
を判断することが難しくなります。
音がかすれる、雑音が多い、チューニングが安定しないといった問題が続くと、「自分には二胡の才能がない」と思い込んでしまうこともあります。
しかし、実際には本人の才能ではなく、楽器や調整に原因があることも少なくありません。
3万円以下の二胡を購入するときの注意点
インターネットでは、1万円台や2万円台の二胡セットも見かけます。
すべての低価格二胡が悪いとは言えませんが、購入前には特に慎重な確認が必要です。
価格を抑えるために、次のような部分で差が出る可能性があります。
・木材の品質や乾燥状態
・皮の張り方や状態
・琴筒と琴杆の組み立て
・糸巻きの動き
・弓の品質
・駒や千斤の調整
・出荷前の検品
・購入後のメンテナンス
二胡は、完成した状態で届けば、そのまま良い音が出るとは限りません。
駒の位置、千斤の高さ、弦、雑音止め、弓毛、皮と駒の相性などを確認し、演奏しやすい状態へ調整する必要があります。
低価格の商品を購入した後に、弓や弦を交換したり、専門店で調整を依頼したりすると、最初から調整済みの二胡を購入した場合と、費用があまり変わらなくなることもあります。
購入価格だけではなく、購入後に必要となる費用まで含めて考えることが大切です。
価格だけで二胡の良し悪しは決まりません。
高い二胡であれば、必ず自分に合う良い二胡というわけでもありません。
二胡は一本一本、音色や響き、弾き心地が異なります。
同じ材質、同じ職人、同じ価格帯の二胡であっても、
・音の明るさ
・音の深さ
・響き方
・音量
・高音の伸び
・内弦と外弦のバランス
・弾いたときの反応
には個体差があります。
そのため、本当に大切なのは価格の数字だけではなく、その二胡が初心者にとって弾きやすく、安心して練習を続けられる状態になっているかです。

初心者用二胡を選ぶ7つのポイント
1.音が出しやすいこと
初心者用二胡で最も大切なのは、無理に力を入れなくても音が出しやすいことです。
最初から音が出にくい二胡では、必要以上に右手へ力が入り、正しい運弓を身につけにくくなります。
軽い力でも自然に音が立ち上がり、弓をまっすぐ動かしたときに、安定した音が出る二胡が理想です。
2.内弦と外弦のバランスがよいこと。
外弦だけが強く、内弦がこもっている二胡では、二本の弦を均等に演奏することが難しくなります。
初心者の段階から、内弦と外弦の音量や響きができるだけ安定した二胡を選ぶことが理想です。
3.チューニングしやすいこと。
二胡は、練習前に調弦する必要があります。
糸巻きが滑りやすかったり、反対に固すぎたりすると、初心者の方には大きな負担になります。
アジャスターが装着されていると、細かな音程調整がしやすくなります。
4.弓が使いやすいこと。
二胡本体がよくても、弓が扱いにくければ、美しい音は出しにくくなります。
弓の重さ、長さ、竹の弾力、弓毛の状態も、演奏のしやすさに大きく関係します。
初心者セットを選ぶときは、二胡本体だけでなく、付属している弓の品質も確認しましょう。
5.購入前に調整されていること。
二胡は、駒や千斤を正しい位置に取り付けるだけでなく、一本ずつ音を確認して調整することが重要です。
箱から出しただけの状態と、専門家が実際に演奏して調整した状態では、音の出しやすさが大きく異なることがあります。
初心者の方こそ、すぐに演奏できる状態へ調整された二胡を選びましょう。
6.購入後の相談やメンテナンスがあること。
二胡は購入して終わりではありません。
弦の交換、駒の調整、千斤の交換、雑音、皮の状態など、長く演奏しているとさまざまな相談が必要になります。
購入後も相談でき、調整やメンテナンスに対応してくれる専門店を選ぶと安心です。
7.必要な付属品がそろっていること。
初心者セットを選ぶ場合は、ケース、弓、松脂、弦、駒、チューナーなど、何が含まれているか確認しましょう。
「初心者セット」と書かれていても、その内容は店舗によって大きく異なります。
価格だけで比較せず、付属品の品質や購入後のサポートまで含めて確認することが大切です。
初心者でも10万円以上の二胡を選んでよいですか?
もちろん問題ありません。
「長く使える二胡が欲しい」
「最初から音色にこだわりたい」
「買い替えずに初級・中級まで使いたい」
という方は、10万円以上の二胡から選ぶ方法もあります。
初心者が高い二胡を使ってはいけないという決まりはありません。
むしろ、音が出しやすく、響きが豊かで、弾くたびに心地よいと感じられる二胡は、練習を続ける意欲にもつながります。
ただし、高価な二胡であっても、その方に合うとは限りません。
価格だけで決めず、できれば何本か試奏し、音色や弾き心地を比較して選ぶことをおすすめします。

独学の場合こそ、調整済みの二胡を選びましょう。
教室へ通っている方であれば、先生に楽器の状態を確認してもらうことができます。
しかし、独学の場合は、音が出にくい原因が自分にあるのか、二胡にあるのかを判断しにくくなります。
そのため、独学で始める方こそ、
・専門家が選定している
・演奏できる状態に調整されている
・購入後に相談できる
・初心者向け教材がある
という条件を重視してください。
安さだけで選ぶよりも、安心して練習を始められる環境まで含めて選ぶことが大切です。
通販で二胡を購入するときの注意点。
近くに二胡専門店がない場合、オンラインショップで購入する方も多いと思います。
通販の場合は、次の点を確認しましょう。
・実物の二胡を専門家が検品しているか
・発送前に一本ずつ調整しているか
・商品写真が実物か見本か
・付属品の内容
・修理や調整への対応
・返品・交換条件
・購入後に相談できるか
特に、商品説明に「初心者向け」と書かれているだけで判断せず、誰が、どのように選定・調整しているのかを確認することをおすすめします。
名師堂では、初めて購入される方の多くが紅檀か紅木の初心者セットを選ばれています
二胡専門店名師堂では、初心者の方が安心して練習を始められるよう、必要なものをそろえた入門セットをご用意しています。
現在の初心者向けセットには、


があります。
いずれも、二胡本体と演奏に必要な付属品を組み合わせた初心者向けセットです。
紅檀二胡入門セットには、初心者用教材、チューナー、二胡音程表示装置なども含まれています。
名師堂では、初心者用二胡も一本ずつ音を確認し、すぐに演奏できる状態へ調整してからお渡ししています。
東京・大阪・神戸の店舗では、実際に複数の二胡を試奏し、音色を比較しながら選ぶこともできます。
まだご自身で演奏できない初心者の方には、スタッフが二胡を演奏し、音色の違いを聴き比べていただくことも可能です。

Q&A 初心者用二胡の価格についてよくある質問
安すぎる二胡はなぜダメなのか
安すぎる二胡は音が綺麗になることはありません。練習のモチベーションがが下がります。
また、楽器が安いから簡単に辞めてしまいます。
最初から軽い気持ちでちょっとだけやってみたい方は、試しに安い二胡はいいかもしれませんね。
初心者の方が「自分が下手だから音が出ない」と思い込んでしまい、練習が楽しくなくなることもあります。
高い二胡ほど上達する?
高い二胡を購入する時点で二胡を絶対続けてやりたい気持ちになっているでしょう。
良い音で二胡の練習をすると、頑張って上達しますね。
上達して演奏技術が向上した段階で、より表現力のある上位モデルへ買い替えるのもおすすめです。
二胡選びで最も大切なのは価格ではありません。
自分の体格や演奏スタイル、レベルに合った二胡を選ぶことが、上達への一番の近道です。
最初は中古の二胡でも大丈夫ですか?
状態がよく、専門家による点検や調整が行われた二胡であれば、中古から始めることも可能です。
ただし、皮の状態、琴杆の曲がり、糸巻き、琴筒、弓などを初心者の方が見極めることは難しいため、購入前には専門家に確認してもらうと安心です。
また、中古の二胡には、以前の持ち主が長年演奏してきた音色や楽器の状態が残っている場合があります。
そのため、私はできれば、初心者の方には新品の二胡から始めることをおすすめしています。
新品の二胡は、購入したばかりの頃は皮がまだ硬く、本来の豊かな音色が十分に出ていないことがあります。
しかし、日々弾き続けることで皮が少しずつなじみ、音色も次第に柔らかく、豊かに変化していきます。
二胡は、弾き手が時間をかけて育てていく楽器です。
自分の手で弾き込みながら、少しずつ自分らしい音色へ育っていく過程も、二胡ならではの大きな魅力です。
初心者セットは本当に必要ですか?
初めて二胡を購入する方には、必要な付属品がそろったセットが便利です。
しかし、付属品が多ければよいというわけではありません。
セット内容と品質を確認し、本当に演奏に必要なものが含まれているか、不要なものばかりが付いていないかも確認しましょう。
初心者用二胡は何年くらい使えますか?
適切に製作・調整され、日頃から丁寧に管理された二胡であれば、初心者用として購入した二胡でも長く使うことができます。
何年使えるかという年数よりも、演奏技術が上がり、本人が求める音色や表現が変わったときが、買い替えを考える一つのタイミングです。
初心者でも試奏した方がよいですか?
できれば試奏をおすすめします。
まだ自分で演奏できない場合は、専門店のスタッフや講師に演奏してもらい、複数の二胡の音色を聴き比べる方法があります。
同じ価格帯の二胡でも音色には個体差がありますので、実際の音を聴いて選ぶことはとても大切です。

まとめ
安さだけでなく、練習を続けられる二胡を選びましょう。
初心者用二胡の価格は、必要な付属品を含めて5万円〜10万円前後が一つの目安です。
ただし、最も大切なのは価格だけではありません。
・初心者でも音が出しやすい
・内弦と外弦のバランスがよい
・正しく調整されている
・使いやすい弓が付いている
・必要な付属品がそろっている
・購入後の相談やメンテナンスがある
これらを総合的に確認して選びましょう。
初心者だから安い二胡でよいのではなく、初心者だからこそ、正しい基礎を身につけやすく、良い音を感じられる二胡が必要です。
最初に選ぶ一本は、これから二胡を好きになり、楽しく続けられるかどうかを左右する大切なパートナーです。

安さだけで決めず、実際の音色、弾きやすさ、調整、付属品、購入後のサポートまで含めて、ご自身に合った二胡を選んでください。
高級二胡専門店名師堂
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