駒の選び方・正しい位置・控制綿とは?

蛇皮とぴったりの相性の良い駒を選びましょう

駒は小さいものですが、音色、音質、音量に大きな影響を及ぼすので、駒の選択と使用はとても大切です。
日本で販売されている駒の素材は、よく紫檀・黒檀と示されていますが、実は、このような硬く密度の高い材質は、駒には向きません。なぜなら、弦の振動が蛇皮に伝わるのが遅いため、音の反応が遅く、音量も小さく澄んだ音が出ないからです。
充分に弾き込んだ古い二胡や、締まりのない響きが広がってしまう二胡には、音をまとめるため、紫檀・黒檀の駒が良いかもしれませんが、現在、普通に皆さんがお持ちになっている二胡には紫檀・黒檀駒の使用は向きません。
ではどんな素材の駒が良いでしょうか?

バイオリンやチェロの駒と同様に「楓」の材質一番が良いのですが、二胡の場合はそのままではなく、一度油で揚げるのです。すると、楓は縮み、密度が高くなります。とはいっても、硬さ・密度が紫檀や黒檀程にはならないので、二胡に最も適した音作りが出来る素材となります。
この駒は、中国二胡王と呼ばれているの王瑞泉先生の発明研究によるもので、中国全土で使用されています。中国語で[色木油煎駒]と言います。
色木油煎駒

駒の選び方

見た目では、ほとんど同じに見えるので、選択は大変難しいです。一番ベストな方法としては、お店で買って帰るのではなく、自分の二胡をお店に持って行き、実際に駒をセットして、弾き、耳で音の違いを確かめるのが一番良いと思います。
地域的な事情で、駒を選びに行くことが出来ない場合は、名師堂にお任せください。

駒を置く正しい位置

蛇皮の中央部に置いてください。中央部より高すぎたり、低すぎたりすると、音色・音質・音量に悪い影響を及ぼします。

良い音が出せたなら、駒の移動は避けましょう。長く同じ位置に置いておくと、更にきれいな音になります。よく動かすと音は、悪くなります。
駒に伝わる振動を蛇皮に伝えて、音が胴から出るのです。長く同じ位置に駒を置くことで蛇皮に駒が馴染んで、同化するのです。教室によっては、蛇皮を守るために、二胡を弾かないときに駒を上方へ移動させると、教える先生もいますが、逆に、駒を蛇皮の上を滑らせて移動する事で蛇皮を傷つけることになります。是非、止めましょう。

そこで蛇の皮を守るのであれば、名師堂の弱音器を使ってください。
名師堂へ

駒の修正の仕方

駒についてる溝が狭すぎると、弓が両弦に当たりやすいので、ノイズの原因になります。カッターナイフで広めの溝を作ってみてください。広すぎてもだめですよ。

控制綿について

控制綿は、副駒とも言います。弦と蛇皮の間で、駒の下方にセットします。役割は二胡のノイズをなくすためです。
一般的に調整していない二胡には、スポンジがセットされていることがほとんどです。ただ、スポンジは、乾燥に弱く、すぐ硬くなり砕けてしまいます。

名師堂オリジナル控制綿は、フェルトを芯にして、柔らかいビロードを三重に折って、作っています。サイズは3cm×2.5cm

置く位置は、駒の下にぴったりに控制綿をセットすると、音量が小さく、ノイズが少なくなり、駒と離してセットすると、音量は大きくなりますが、ノイズが出ます。自分の耳で聴いて好みの音に調整してください。