二胡の種類 ご存じですか?

中国二胡は、大きく分けて、三種類にわかれます。

二胡購入時に、ちょっとした二胡の知識があれば、大きな失敗を避けることが出来ます。

ご自身で購入された二胡が一体どういうものなのか、不満や疑いを持って来店される方がいらっしゃいます。私が見たところ、二胡とその価格が明らかに釣り合いの取れないものであったり、紫檀と聞いて購入された二胡が実は血紫檀であったり、自分の好む音色が、いくら弾いても出なかったり等々。騙されたと知り、悔しい思いを経験された方が少なくありません。

実際に、大量生産のおみやげ二胡、本皮でもニシキヘビではないもの、そして亡くなられたのにもかかわらず、偽造で作家名が彫られているもの、中国の有名な奏者のサイン入りなど、危険な二胡が沢山出回っているのが現状です。価格での判断も難しく、怪しい二胡の判別は簡単ではありません。

私は、このような事が原因で、二胡愛好家の方たちが二胡に失望することを、何よりも残念に思います。決して、そのような目に合ってほしくありません。

 

そこで、基本的に必要な二胡の知識を公開し、二胡を愛する皆様のお役に立ちたいと思っております。どうぞ、購入される前に、この名師堂の役立つ二胡知識のページを参考にしてください。

蘇州二胡 そしゅうにこ

スタイル:胴は六角形で裏側に透かし彫の花窓があり、胴敷は底を包むように固定されています。

二胡製作の原点は蘇州です。16世紀蘇州の手工芸品の発展のため、民族楽器の製作も盛んでした。二胡は蘇州の名物として、全土に知られています。

伝統的な哀愁を帯びた深い音色が特徴で中国のプロの演奏家たちに愛用され、戦前から日本人に好まれた音色の二胡です。私自身も愛用しており、お勧め致します。

 

北京二胡 ぺきんにこ

スタイル:基本的に胴の正面は八角形、裏側は円形。窓は周囲に沿って透かし彫りの縁取りで中央は空いています。胴の中に竹の円筒が入れてあるものもあり、高音部を際立たせる為のスピーカーの役割を担っています。胴敷は底の部分に板状につけられています。

今から100年前、蘇州の職人さんが北京に呼ばれ、二胡の製作が始まりました。文化大革命の時代、露天演奏が多かったので、六角形二胡の音量では小さすぎて、革命の時代の合わないため、1975年に八角形に改造され、胴のスピーカーから音量が大きく、音の反応が敏感なバイオリンの音色に近づくように、製作されました。

現在の日本でもたくさん流通しています。日本人の好みとは違った音色で、日本の多湿な気候にあっていません。求めたお客さんたちは、胴からのストレートな音量のコントロールが出来ず、ショックを受けた人が多いようで、よく相談を受けます。理想的な音づくりができません。1992年から、台湾・シンガポールでは、北京八角形二胡を輸入していましたが3年後の1995年には売れなくなった為、楽器市場から消えました。私自身も、扱う気にはなりませんでした。

 

上海二胡 しゃんはいにこ

 

スタイル:六角形で裏窓に透かし彫りの花窓があり、蘇州二胡に比べて細かく彫られています。琴首のカーブは緩やかで棹と糸巻きは細めで胴敷は底を包むように固定されています。

中国最大の民族楽器工場で大量に機械で生産しているため、音色に個性がないようです。

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