千斤の役割・位置の決め方・取り付け方法

取り付け方法の動画

 

音程を決める大切な千斤
名師堂オリジナル千斤の取り付け方
自分に合った千斤の位置の決め方 

名師堂の千斤について曽朴が語る

二胡の千斤は上駒とも言います。上駒と皮の真ん中に置く駒、この二つはとても大切です。直接二胡の音色、音質、音程に影響する部品です。私は二胡を調整する時、主にこの二つの部品の調整に時間をかけます。多くの二胡愛好家たちは糸で巻いた千斤が正しいと考えていますが、実は大間違いです。糸で巻いた千斤は、音程が不安定で、ノイズが多く、長く使っていると切れてしまうという、使いにくい千斤なのです。

なぜ名師堂の二胡の千斤は糸ではないのか?


名師堂の千斤が水牛角の材質などで作られたものだけを扱っています。 実は名師堂はオープン前からも、いろいろな二胡愛好家たちからお問い合わせがあったのですが、その中で、  お客さま 「二胡の千斤を売っていますか?」
 曽朴 「千斤とは、糸の千斤のことですか?」
 お客さま 「いいえ違います、糸ではなくちゃんとした千斤が欲しいのです。」
このように言われて、私はとても不思議でした。
 曽朴 「どうしてちゃんとした千斤が欲しいのですか?」と聞くと、
 お客さま 「糸の千斤は音程が不安定です。指で弦を強く押えると糸が少しずつ下に下がるので、音程が正しくとれないのです。」


これを聞いた時すごいなと思いました。中国では今まで糸で巻いた千斤に関して「音程が不安定で、ノイズがあるので他のものが欲しい」という要求は聞いたことがなく、自分も普通に糸千斤を使っていたわけなのですが、あえて改善しようとは思っていませんでした。ところが、二胡を始めてわずか数年の日本の人が、これでは使いにくいと文句を言い出されたことには、びっくりしました。
私は、早速二胡の千斤に対して調べ始め、確かに言われたとおりであると、あらためて納得したのです。

上駒(千斤)でしっかり弦を止めておかないと、ノイズが多く、当然音程は不安定なままです。二胡を弾いた事がある方はおわかりかと思いますが、左手の指で弦を押える時、軽く押えるとビリビリする音が出ますが、強くしっかりと押さえると奇麗で澄んだ音になります。もちろん千斤がしっかりと弦を止めていないと同じ症状が出るわけなのです。

なぜ中国では、このような重要な事が問題になってないのかと考えてみました。
思い起こすと少年時代、自分が二胡を習いはじめたときは、千斤が音に影響しているとか、ノイズが出ることに関して、まったく何も考えてなかったように思います。正直に言うと音がずれているかどうかもわかってなかったのかもしれません。ただただ先生の言うとおりに練習していただけでした。


ただ本当に上手な人は、千斤について、ああだこうだと言ったり、気にしたりはしません。靴の紐でも千斤になります。プロの演奏家たちは音程が100%取れるわけがない二胡を弾いても修正力があります。つまり腕があれば千斤にこだわることはなくなるということです。
結果論ですが、ハッキリ言って日本人の音楽素質は中国人より遙かに高いのは確かです。特に現在二胡はほとんど大人になってから習いだした方が多いので、耳で音をとらえて、音程の不安定さや、ずれに、すぐ気がつかれます。だからこそ千斤に対して、「さらに音程の安定するものを」という探求心があるのです。そういった方の欲求にこたえて、名師堂の千斤を作りました。是非おためしください。

 

千斤の役割

千斤から駒までを、発音区と呼び、音程の出る部位になります。もし、千斤をつけなければ、開放弦で、二胡の音は出ません。

千斤の種類と特長

糸千斤:一般的に新品二胡には糸千斤がセットされています。 糸で巻いた状態で移動が可能。音色が軟らかいけれど、上手に巻かないと移動しやすい。弦を棹に引き寄せる力が充分ではなく長年使用すると切れることが多々あります。演奏中、弦を強く押さえると糸千斤は緩みはじめ、少しずつ位置がずれ、音程が不安定になることがあります。
擦弦する時、千斤をしっかり固定してないのでノイズが多く、音の響きに悪い影響があります。

金属製千斤:鈎千斤、京胡式千斤とも言う。金属の北京式千斤も変えたほうが良いと思います。 材質的に金属千斤は、弦を棹に引き寄せる力が充分にあります。永年使用も耐えますが、問題は、弦と千斤の金属部分とが接する時の音です。音色が硬く金属的です。糸千斤と同様に緩みやすく、不安定で、開放弦を弾く時、ノイズが多く音が悪くなります。
これは弦と金属が直接当たるためです。いわゆる二胡の深い音色になりません。

固定千斤:名師堂オリジナルの千斤は、牛角、象牙製のものがあります。弦を棹に引き寄せる力が充分にあり、長年使い続けても変形せず、テグスで留めるので弾力もあり、棹を傷つける事もありません。千金部分に弦が直接当らないようにゴムをかませると、音色が滑らかく美しくなります。
テグスで結びつける方法が少し難しいのですが、いったん装着すると、棹と千斤はしっかりと固定され、演奏中にずれて音程が不安定になることがありません。

千斤のつけかえ

二胡の音程が不安定で、ノイズが多くて困っている方、私のお薦めする固定千斤を使ってみてください。まず二胡の弦をはずして、千斤を変えましょう。

名師堂オリジナルの千斤は、牛角です。
弦を棹に引き寄せる力が充分にあり、長年使い続けても変形せず、テグスで留めるので棹を傷つける事もありません。


テグスで結びつける方法が少し難しいのですが、いったん装着すると、棹と千斤はしっかりと固定され、演奏中にずれて音程が不安定になることがありません。美しい音色を出すために、金属の弦と硬質千斤が直接触れないようにゴムを噛ませます。ノイズのない澄んだ音がよく響きます。
ゴムは年に一度新しいものに入れ換えることが必要です。

自分に合った千斤の位置の決め方

  1. 左手の肘を二胡の胴の上に置き、棹に手を沿わせ指を真っ直ぐに伸ばし、中指の付け根から小指の付け根の範囲が千斤をつける位置になります。 千斤の位置はご本人が、自分の左手の長さでに合わせて、千斤の位置を決めると間違いがありません。名師堂の二胡を購入された時は、ご自分の左手のひじから中指の付け根までの長さをお知らせください。私がちゃんと調整いたします。ご安心ください。
  2. 千斤の位置決めについて、いろいろ言われてますが二胡の千斤の位置はとても重要です。直接音程と音色につながっています。
    私はいつも演奏する本人の左手の長さで決めますが、千斤を高く設置したほうがよいと言う先生がいます。千斤を高く設置すると駒と千斤の距離が長くなり弦の振動が大きく音が奇麗に出ると思っている先生もいます。
  3. ただ現在日本で二胡を習っている方たちは女性が多いので千斤を高く設置すると指が届かず、音程が正しくとれない場合が多いようです。音楽なのですから、やはり音程が一番大切だと思います。いくら二胡の音色がよくても音程がずれたら音楽とは言えません。プロの演奏家に対して言うのならば駒と千斤の距離が遠くても良いかも知れませんが、大人からスタートされた、特に小柄な女性の場合は、あてはまらないので鵜呑みにしないでください。

 

名師堂オリジナル千斤の取り付け方

  1. テグスで棹と千斤を固定します。
  2. セットにしているテグスを千斤の穴に通し、棹の後ろで一回しっかり結びます。
  3. 再び両端のテグスを千斤の穴に通し、後ろで交差します。
  4. 再び両端を千斤の穴に通し、後ろで固く結び、ゆわえます。
  5. 結び残したテグスを左右に振り分け、千斤の隙間に通し、後ろまで引っ張ってきます。
  6. 三本重なったテグスにぐるぐると上から下へ巻きつけます。
  7. もう一方も同様にして、両端がなくなるまで廻します。
  8. 最後にテグスを残さないようにぎりぎりのところを、ハサミで切ります。
  9. 弦を千斤に通します。
  10. 千斤に弦が直接触らないように、千斤の弦の部分にゴムを噛ませます。

名師堂牛角二胡千斤

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