紫檀二胡とは

紫檀(マメ科の常緑高木)中国の職人さんは、小葉紫檀とも呼んでいます。
インド南部でビルマ国境地帯、スリランカのごく限られた地域で栽培されています。
材質は緻密で堅く、重く、湿度に強く、反りにくく、気候の影響を受けにくい木質です。

成育はとても遅く、成育した木でも直径20cmの太さ程度で、植樹から切り出されるまで、
およそ800年の歳月がかかります。大変希少なため、ワシントン条約の制限があり、輸出入時にサイテスが必要です。
成育した木には、節が多いため、整材すると、使える部分は更に細くなってしまいます。
中国では古来から王家専用の家具材料として、珍重されていたので「帝王之木」と呼ばれていました。
現在でも、原産地から工房に届くのに数年もかかり、しかも入手後、すぐ使うことが出来ません。
熟練した職人さんは、二胡のサイズに合わせて削り、更に2年間以上自然に乾燥させてから製作します。

材質の緻密度が高く堅いため、製作工程は困難を来たします。製作暦50年以上の職人さんが手間隙かけて削り、磨き上げます。
工房で出来上がったばかりの時は赤みを帯びた色合いですが、年月が経つにつれ、だんだんと黒光りしてきます。

二胡としては、木材の密度が高いので、紫檀特有の音色が出せます。また振動性が良いため、明るい音で響き方が良いのが特長です。
私が職人さんに強く依頼している「こだわりの条件」があります。
それは、高くついても、二胡の棹、胴、糸巻き、敷き台、本体全てを、同じ一本の紫檀木から作ってほしいという事です。
厳しすぎるかもしれませんがこれは、木の密度が同じだと、音の振動がなめらかに伝わり、響きが良いからなのです。
同じ種類の材料のいわゆる寄せ集めで作ると、木の密度が一致してないので、音の伝導が滞ることがあります。

価格は、中国においても入手困難な材料であり、最高職人さんに作らせた二胡は、年々価格が上がってきています。
しかし、日本で、これほど良い二胡を販売出来るのは名師堂しかありません。真剣に二胡と長く付き合っていこうという方には、
心からお勧めできる逸品です。また、二胡暦の浅い方でも、この二胡を弾くと音色の美しさと心地良さに、一段と腕が上がったような気分になります。
曽朴の二胡名師堂